覚えていて

いつもどおり家に帰って
いつもと何かが、違う。

父の遺影が仏壇の脇にしまわれていたのである。

母に聞いたところTVで「遺影を飾るのは成仏できない」と
言う言葉をどうやら正直な母は真に受けてしまっていた。
成仏は別として
逆に自分が亡くなったら
自分がいた事は覚えていて欲しいと思う。
それに甥っ子の誕生を心待ちにして去ってしまった父は

孫を抱くことや一緒に出かけたり
これから思い出を作ることができない。

だからこそ、度々2階に来て仏壇に手を合わす孫に
「おじいちゃんはこんな人なんだよ」って

知っておいて欲しい。

それを母に訴えてる途中、涙が流れてしまった。
急いで部屋に戻る。
いつも肝心な時に涙がでるから困る(><)
親が目の前から消えてしまう。
もう二度と会うことは出来ない。
普通は想像できないかもしれない。
それが現実のものとなってしまったのだから。
また飾ったけど、哀しかった。